- 投資信託の選び方がわからない
- 自分の目的に合う投資信託の候補を知りたい
- NISAで投資信託を選ぶときの注意点を知りたい
- 分配金・手数料・リスクの見方を整理したい
投資信託の選び方で大切なのは、人気ランキングや直近のリターンだけで判断しないことです。
まずは「何のために投資するのか」「何年運用するのか」「どの程度の値下がりまで受け入れられるのか」を決め、そのうえで投資対象・運用方針・コスト・純資産総額・運用実績を比較しましょう。
本記事では、投資信託の選び方を初心者にもわかりやすく整理し、目的別の候補例も紹介します。
重要:本記事で紹介する個別ファンドは、選び方を理解するための候補例です。特定商品の購入を推奨するものではありません。投資信託は元本保証ではなく、基準価額・純資産総額・信託報酬・分配金・NISA対象可否などは変わります。購入前に必ず最新の目論見書・月次レポート・運用報告書・販売会社情報を確認してください。
投資信託の選び方|最初に見るべき結論
投資信託は、目的によって選ぶべきタイプが変わります。最初に、以下の表で大まかな方向性を確認しましょう。
| 目的 | 候補になりやすいタイプ | 確認すべきポイント |
|---|---|---|
| 長期的に資産形成したい | 全世界株式インデックス、先進国株式インデックス、バランス型 | 信託報酬、純資産総額、連動指数、NISA対象可否 |
| 値動きを抑えながら運用したい | バランス型、債券比率の高いファンド | 株式・債券の比率、為替ヘッジ、過去の下落幅 |
| 分配金を受け取りたい | 債券ファンド、高配当株式ファンド、REITファンド | 分配金の原資、元本払戻金、コスト、NISA対象可否 |
| 余剰資金で大きな成長を狙いたい | 新興国株式、テーマ型、ハイイールド債券など | 投資比率を小さくする、為替・信用・集中リスクを確認 |
| 1本で分散したい | 全世界株式、4資産・6資産・8資産バランス型 | 投資地域、資産配分、リバランス方針 |
初心者がNISAで長期資産形成を始めるなら、まずは低コストのインデックスファンドやバランス型ファンドを中心に検討するのが基本です。
一方で、分配金を受け取りたい人や、余剰資金で高いリターンを狙いたい人は、コスト・税金・リスクが大きくなりやすいため、商品性をより慎重に確認する必要があります。
投資信託の選び方【4つのポイント】

投資信託を選ぶ際は、以下の4つを順番に確認しましょう。
1. 運用実績を複数期間で確認する
運用実績は重要ですが、直近1年の成績だけで判断するのは危険です。
投資信託の成績は、市場環境、為替、金利、景気サイクルによって大きく変わります。そのため、1年・3年・5年・10年など、複数期間のリターンを確認しましょう。
- 騰落率:一定期間で基準価額がどれくらい上がったか、下がったか
- ベンチマーク比較:市場平均に対して上回ったか、下回ったか
- シャープレシオ:価格変動の大きさに対して、どれだけ効率よくリターンを得たか
- 最大下落幅:大きく下がった局面で、どれほど下落したか
過去の実績は将来の成果を保証しません。ただし、ファンドの値動きの癖や、下落局面での動きを知る材料になります。
ベンチマークとの比較
インデックスファンドの場合は、連動を目指す指数を確認しましょう。
たとえば、日本株式ファンドであればTOPIXや日経平均株価、先進国株式ファンドであればMSCIコクサイ・インデックス、全世界株式ファンドであればMSCI ACWIやFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスなどが代表例です。
TOPIXは、日本の株式市場を広範に網羅するマーケット・ベンチマークで、浮動株時価総額加重型で算出されます。指数ごとに対象地域や構成銘柄が異なるため、目論見書で「何に連動するファンドなのか」を確認しましょう。
2. 投資対象と運用方針を確認する
投資信託は、同じ「投資信託」という名前でも中身が大きく異なります。
投資先が株式なのか、債券なのか、不動産投資信託(REIT)なのか。国内中心なのか、先進国中心なのか、新興国中心なのか。まずは投資対象を確認しましょう。
- インデックス運用:特定の指数に連動する成果を目指す。低コストの商品が多い
- アクティブ運用:運用者が銘柄を選び、市場平均を上回る成果を目指す。コストは高くなりやすい
- バランス型:株式・債券・REITなど、複数資産に分散投資する
- テーマ型:AI、インド、ヘルスケア、インフラなど特定テーマに投資する
- 分配型:定期的な分配金の支払いを目指す
外貨建て資産に投資するファンドでは、為替ヘッジの有無も重要です。為替ヘッジなしの場合、円安ではプラスに働くことがありますが、円高では基準価額の下落要因になります。
テーマ型や特定国に集中するファンドは、成長期待が大きい一方で、値動きも大きくなりやすいです。資産全体の中心にするより、余剰資金の一部で活用するかを慎重に考えましょう。
3. 純資産総額と資金流入を確認する
純資産総額とは、ファンドが保有する資産から費用などを差し引いた総額のことです。ファンドの規模を示す指標として使われます。
純資産総額が極端に小さいファンドは、運用効率が悪くなったり、繰上償還のリスクが高まったりする可能性があります。
一方で、純資産総額が大きければ必ず良いというわけでもありません。とくに小型株やテーマ型のアクティブファンドでは、規模が大きくなりすぎると機動的な運用が難しくなる場合があります。
チェックすべき点:純資産総額の「金額」だけでなく、資金流入が続いているか、長期的に減少傾向ではないかを確認しましょう。
4. 手数料などのコストを確認する
投資信託のコストは、長期の運用成果に大きく影響します。
とくに長期投資では、信託報酬の差が積み重なります。似た投資対象のファンドであれば、コストが低い商品を優先して比較しましょう。
- 購入時手数料:購入時にかかる手数料。ネット証券では無料の商品も多い
- 信託報酬:保有中に日々差し引かれる運用管理費用
- 信託財産留保額:解約時に差し引かれる場合がある費用
- その他費用:売買委託手数料、保管費用、監査費用など
信託報酬だけでなく、運用報告書に記載される実質コストも確認できると、より正確に比較できます。信託報酬が低くても、その他費用が大きい場合は実質的な負担が増えるため注意しましょう。
なぜ自分にあった投資信託を選ぶべきなのか

投資信託は、商品ごとにリスク・リターン・コスト・分配方針がまったく異なります。
ランキング上位の商品でも、自分の目的に合わなければ良い選択とはいえません。
投資期間によって選ぶ商品は変わる
長期で運用するなら、株式比率の高いファンドでも時間をかけて値動きに向き合いやすくなります。
一方、数年以内に使う予定の資金であれば、大きく値下がりする可能性のある株式ファンドは慎重に扱うべきです。教育費や住宅購入資金など、使う時期が決まっているお金は、預貯金や値動きの小さい資産とのバランスも考えましょう。
リスク許容度によって選ぶ商品は変わる
リスク許容度とは、どれくらいの値下がりまでなら冷静に保有を続けられるかという考え方です。
たとえば、100万円の投資額が一時的に80万円になっても保有を続けられる人と、95万円になっただけで不安になる人では、選ぶべき投資信託が変わります。
値下がりが不安な人は、株式100%の商品だけでなく、債券を含むバランス型や、投資額を少なくして始める方法も検討しましょう。
投資信託を選ぶステップ
老後資金、教育資金、余剰資金の運用、分配金収入など、目的を明確にします。
短期で使うお金なのか、10年以上使わないお金なのかを分けます。
値下がりしたときに保有を続けられる範囲を考えます。
投資対象、運用方針、コスト、純資産総額、運用実績を比較します。
最初から大きな金額を入れず、積立や少額投資で慣れながら見直しましょう。
【目的別】おすすめ投資信託の候補例

ここからは、目的別に候補になりやすい投資信託のタイプと、具体的なファンド例を紹介します。
以下のファンド例は、投資信託の選び方を理解するための参考です。ランキングや購入推奨ではありません。数値は、2026年5月13日時点で確認できた運用会社・販売会社等の公表情報をもとにしています。基準価額・純資産総額・信託報酬・分配金・NISA対象可否は変わるため、購入前に最新情報を確認してください。
目的1:長期的な資産形成を目指す
老後資金や将来の資産形成を目的にするなら、低コストで広く分散できるインデックスファンドが候補になります。
| 候補例 | 特徴 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 日本を含む先進国・新興国の株式に幅広く投資。MSCI ACWIへの連動を目指す | 信託報酬、純資産総額、米国比率、為替ヘッジなしの影響 |
| たわらノーロード 先進国株式 | 日本を除く先進国株式に投資。低コストの先進国株式インデックス候補 | 全世界株式との違い、新興国を含まない点、為替リスク |
| ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型) | 国内株式・国内債券・外国株式・外国債券に25%ずつ分散 | 株式と債券の比率、リターンの伸びより安定性を重視するか |
確認した参考値:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、2026年5月13日時点で基準価額36,592円、純資産額117,120.32億円、管理費用0.05775%と公表されています。たわらノーロード 先進国株式は、同日時点で基準価額46,763円、純資産額12,389.74億円、管理費用0.09889%です。ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)は、同日時点で基準価額22,117円、純資産額1,171.81億円、管理費用0.154%です。
長期資産形成では、商品を頻繁に入れ替えるよりも、低コストで分散された商品を継続して積み立てることが重要です。
目的2:分配金による収入補填を目指す
分配金を受け取りたい場合は、債券ファンド、高配当株式ファンド、REITファンドなどが候補になります。
ただし、分配金は利益だけから支払われるとは限りません。元本の一部払い戻しにあたる元本払戻金(特別分配金)になる場合もあります。
| 候補例 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 三菱UFJ 日本国債ファンド(毎月決算型) | 日本国債を中心とする毎月決算型 | 金利上昇時の価格下落、毎月分配型のNISA対象可否、繰上償還リスク |
| 先進国好配当株式ファンド(3ヵ月決算型) | 先進国の好配当株式に投資し、年4回決算 | 株式リスク、為替リスク、分配金の変動、信託報酬 |
分配型ファンドの注意点:分配金が多いほど良いとは限りません。分配金は投資信託の純資産から支払われるため、分配金を出すと基準価額が下がります。長期の複利効果を重視するなら、分配金を受け取らず再投資するタイプのほうが合うこともあります。
確認した参考値:三菱UFJ 日本国債ファンド(毎月決算型)は、2026年5月13日時点で基準価額7,848円、純資産額35.25億円、直近分配金5円、管理費用0.715%と公表されています。先進国好配当株式ファンド(3ヵ月決算型)は、同日時点で基準価額10,153円、純資産額936.56億円、直近分配金720円、管理費用1.375%と公表されています。
分配金を重視する場合は、分配金額だけでなく、分配後の基準価額、分配原資、過去の分配実績、NISA対象可否をあわせて確認しましょう。
目的3:余剰資金で大きな成長を狙う
余剰資金で積極的にリターンを狙う場合、新興国株式、テーマ型ファンド、ハイイールド債券ファンドなどが候補になります。
ただし、これらは値動きが大きくなりやすいため、資産全体の中心にするよりも、コアサテライト戦略の「サテライト」として少額で使うほうが現実的です。
- コア:全世界株式、先進国株式、バランス型など、長期で保有する中心部分
- サテライト:新興国、テーマ型、ハイイールド債券など、追加リターンを狙う一部
| 候補例 | 特徴 | 主なリスク |
|---|---|---|
| HSBC インド・インフラ株式オープン | インドのインフラ関連株式に投資するテーマ型ファンド | 国・地域集中、セクター集中、為替リスク、コスト |
| フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド(資産成長型)D(為替ヘッジなし) | 米ドル建てのハイイールド債券を中心に投資 | 信用リスク、為替リスク、金利変動、景気悪化時の下落 |
高リスク商品の注意点:特定国・特定テーマ・ハイイールド債券に集中する商品は、相場環境によって大きく値下がりすることがあります。また、レバレッジ型・高レバレッジ型の商品や毎月分配型の商品は、NISAの成長投資枠で対象外となる場合があります。長期資産形成の中心にする前に、商品性とNISA対象可否を必ず確認しましょう。
確認した参考値:HSBC インド・インフラ株式オープンは、2026年5月13日時点で基準価額18,620円、純資産額2,492.58億円、直近分配金100円、管理費用2.09%と公表されています。フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド(資産成長型)D(為替ヘッジなし)は、同日時点で基準価額26,966円、純資産総額245,161百万円、信託報酬率1.65%と公表されています。
目的4:1本でリスク分散を目指す
投資に時間をかけられない人や、複数ファンドを自分で組み合わせるのが難しい人には、1本で分散できるファンドが向いています。
| タイプ | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 全世界株式インデックス | 世界中の株式に広く分散 | 株式中心で長期の成長を狙いたい人 |
| 4資産バランス型 | 国内外の株式・債券に分散 | 株式100%の値動きが不安な人 |
| 8資産バランス型 | 株式・債券・REITなどに幅広く分散 | より多くの資産に分散したい人 |
ただし、分散されていても元本保証ではありません。株式やREITの比率が高いバランス型は、大きく下落することもあります。
NISAで投資信託を選ぶときの注意点
NISAで投資信託を選ぶ場合は、通常の投資信託選びに加えて、制度上の条件も確認しましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| つみたて投資枠 | 年間120万円まで。長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託が対象 |
| 成長投資枠 | 年間240万円まで。投資信託、上場株式、ETF、REITなどが対象 |
| 年間投資枠 | 両方を併用すると年間360万円まで |
| 非課税保有限度額 | 最大1,800万円。成長投資枠はそのうち1,200万円まで |
| 売却後の枠 | 売却した商品の簿価分は、翌年以降に再利用可能 |
NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠を別々の金融機関で利用することはできません。1つの金融機関で利用します。
また、毎月分配型の投資信託、信託期間が20年未満の投資信託、高レバレッジ型商品などは成長投資枠の対象外となります。NISAで購入したい場合は、販売会社の画面や金融庁・資産運用業協会の対象商品リストで確認しましょう。
NISAで迷ったら:まずはつみたて投資枠で低コストのインデックスファンドを使い、必要に応じて成長投資枠で補完する考え方がシンプルです。
投資信託を買う前のチェックリスト
購入前に、以下の10項目を確認しましょう。
- 投資目的は明確か
- 投資期間は5年未満か、10年以上か
- 生活防衛資金を確保しているか
- 一時的な値下がりに耐えられるか
- 投資対象と地域を理解しているか
- インデックス型かアクティブ型か理解しているか
- 信託報酬や実質コストを確認したか
- 純資産総額と資金流入の傾向を確認したか
- 分配金の方針と税金を理解しているか
- NISA対象商品か、販売会社で確認したか
この10項目を確認しても迷う場合は、すぐに購入せず、候補ファンドを2〜3本に絞って比較してから判断しましょう。
投資信託の選び方に迷ったら誰に相談するべき?

投資信託の選び方に迷う場合は、専門家に相談するのも選択肢です。
ただし、相談先によって報酬体系、取扱商品、助言範囲が異なります。相談前に、何に対して費用がかかるのか、どの金融商品を扱えるのかを確認しましょう。
相談前に準備したいこと
- 毎月いくら投資できるか
- 何年後に使う予定のお金か
- 現在の預貯金・投資・保険の状況
- どのくらいの値下がりなら受け入れられるか
- NISAを使いたいか、課税口座でもよいか
相談先としては、証券会社・銀行・IFA・FPなどがあります。特定の商品だけを勧められていないか、手数料が高すぎないか、自分の目的に沿った説明をしてくれるかを確認しましょう。
投資信託は「正しい選び方」で比較しよう

投資信託を選ぶときは、ランキングや直近のリターンだけで判断しないことが大切です。
最初に投資目的・投資期間・リスク許容度を決め、そのうえで投資対象、運用方針、コスト、純資産総額、運用実績を比較しましょう。
長期資産形成なら、低コストで分散されたインデックスファンドやバランス型ファンドが中心候補になります。
分配金や高リターンを狙う商品は魅力的に見える一方、コストやリスクも高くなりやすいため、資産全体の一部として慎重に検討しましょう。
投資信託の選び方に関するQ&A

出典
金融庁「NISAを知る:NISA特設ウェブサイト」
金融庁「よくある質問:NISA特設ウェブサイト」
金融庁「つみたて投資枠対象商品」(更新日:2026年5月11日)
金融庁「NISAを利用する皆さまへ」
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マネックス証券「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド(資産成長型)D(為替ヘッジなし)」

